木彫りでフィギュア制作に新たな世界観を

「フィギュア」と言われてどんなものを想像しますか？特撮やアニメ、漫画のキャラクターがポーズを決めているもの、自動車やオートバイ、電車などの模型もあれば、最近は第4次ガチャガチャブームと言われるようにカプセルトイでも乗り物、建物、食べ物、植物や動物、昆虫、大昔の生き物や空想の世界の物などといったフィギュアもあります。元々英語の“figure”はラテン語の“形”を語源にしており、特に人の姿や形を写した絵や彫刻のことを指すようですが、日本では小さな模型やミニチュア全般のことを言っています。

「木彫り」に「新しい」なんて言うとちょっと不思議な感じがするかもしれませんが、先ほど皆さんに想像していただいたようなフィギュアはプラスチックなど合成樹脂製のものが一般的なため、「木彫りのフィギュア」というとちょっと新鮮な感じがするのかもしれません。木彫りそのものは6世紀頃に仏教伝来とともに木製の仏像が日本にやってきたとされていますから、素材としてはものすごくクラシカルで美術館はもちろん、近所の寺院や神社などでも見ることができるのですが、「木彫りのフィギュア」となると非常に珍しいのです。

その理由は実は難しくなく、木彫りは木材を使って手彫りで制作するという工程のためフィギュアのように同じ造形で複製、量産するということができなかったからという一点に尽きます。しかしながら、まだあまり知る人は多くないのですが、現在では3Dデータと3D切削加工機を使用することでフィギュア制作で求められる同じ造形を量産するという課題はクリアできており、そこに50年以上木彫の美術工芸品を扱ってきた私たち株式会社MORITAの知識と経験が合わさることで、クオリティをキープした木彫りフィギュア制作を行えるようになりました。だから「木彫り」という古くからあるのに「新しい」フィギュアという風に感じるのです。

このようにまだ未開拓な分野と言える「木彫りフィギュア」ですが、未開拓だからこそ他のフュギュアと見た目にも異なる「特別なフィギュア」を制作することが可能です。実際普段木彫りの仏像や仏像フィギュアを制作している私たちのもとには、誰にも何もアピールしていないにも関わらず「あんなに難しい仏像が作れるならキャラクターも作れるでしょう？」と言わんばかりに社会的ブームになったアニメキャラクターや国民的ゲームキャラクターの木彫りでの制作依頼が来るようになり、そしてそれはそれなりに高額にも関わらずその希少感からか大抵すぐに完売しています。

私たちからしてもこれまでに身につけた技術と経験をこうした別の活用法があるならそれはとても嬉しいことですし、このWebサイト「木彫りフィギュア制作工房」を立ち上げ、キャラクター物を対象としたいわゆるOEM制作に乗り出したというわけです。

前述の通りフィギュアというジャンルは非常に多岐に渡るようになり、合わせてフィギュアメーカー様の数も増えると同時にこれまでになく競争も激しくなってきました。「PVCフィギュア」「アクリルフィギュア」といった材質が主流のフィギュア業界に「木彫り」という新たな素材を加え、ラインアップすることができたらそれは他社とは異なるオリジナリティを生み出すことになるのではないでしょうか？木彫りは現在のところ他社で出していることはまずないため、版権物であっても版権取得が容易な傾向もあります。

「ちょっと変わったフィギュアを木彫りでやってみたいな」と思われたら、ぜひ私たちにご相談ください。さまざまな実例を実際に手に取ってご覧いただきながらお打ち合わせすることも可能です。お待ちしております！